12月、2日目。
トッさんのオモチャは、全て横取るイッくん。
昨日、ハハが買ってきた、フワフワねずみちゃんのおきあがりこぼし(奇妙な手つき)も、
かじって、でろって、
見た目通りの「ぬれねずみ」。
キモイ!!
濡れた毛が張り付いて、見える向こうが地肌っぽい。
キモイよ!!
トッさんタワーの最上階に非難させても、トッさんがくわえて下ろしてきて、
イッくんに横取りされる。
の、繰り返し。
ネコジャラシだって、フワフワでなく、メチョメチョになったものばかり。
もう、オモチャ買うのやめよう。
「あーぁ。」
とイッくんに訴えかけかけながら、トッさんのトイレ掃除を始める。
トイレ掃除を始めると、いつも側に座って、ナーォナーォと見守るトッさん。
が、来ない。
ザックザックと掃除しているのに、来ない。
「トッさん?」
鈴の音も聞こえない。
「トッさーん?」
「……ホギャ」
「?トッさん、どこ?」
「……ホギャギャ…チリリン(鈴)」
どうも外から聞こえる。
別室にいた夜勤明けのしぃさんに、
「トッさんおる?」
と訊ねると、
「え、おれへんで。」
との返事。
んんん?
ふたりで、チェストの下やソファーの下をのぞくも、いない。
「トッさん、どこ?」
「ホギャーホギャー」
と聞こえた瞬間、しぃさんの、
「おった!」
で、のぞきに行くと。
網戸をよじ登るトッさん!!
ベランダに洗濯物を出した時、締め出してしまったらしい。
スマン。
(とか言いながらも、ゲハゲハ笑ってしまって、更にスマン。)
しぃさんに救出されて事なきを得る。
ハッちゃんは、ぬれねずみにも、ベランダのトッさんにも興味はなく。
ハハの手に握られた、朝マックだけを見つめ続けるのであった。
「カケラほどなら、くれてもいいんじゃないか?」
という熱心な視線にも、軽く打ち勝てるハハ。
今日も平和だ。