2013年1月8日 午前7時半
出勤するために、車へ乗り込もうとする私の視界に、道の真ん中に座りこちらを見つめる野良猫が一匹。
この周辺を縄張りにしている、キジトラの金ちゃんだと思い込み、
『金ちゃんおはようさん!』
と声を掛けたらば、走り寄ってきたその猫は金ちゃんではなく、でーっかい身体で仔猫みたいに鳴く、オッサン猫なのでした。
金ちゃんは完全なる野良なので、走り寄っても来ないし、鳴きもしないはずなのにおかしいぞ?と思ったときには時既に遅し。
オッサン猫はグネングネンしながら私のふくらはぎに纏わり付き、頬をスリスリして、ンニャーンニャーと、なんとも切ない声で鳴きました。
この状態、ひとまずは保留にして、仕事に行かなければいけないからと車に乗り込んだら、オッサン猫も乗ってきたので大層ビックリしました。
無理矢理降りてもらって、仕事に行きましたが、その日は一日オッサン猫のことで、頭がいっぱい。
仕事をなんとかこなしつつも、しきりに、猫が、猫がね、猫がさ、猫です、などと、猫ねこネコneko言っていた記憶があります。
見かけたことのないオッサン猫、あれは新顔?
夕方、自宅に戻ると、私の駐車場10番に鎮座するオッサン猫。
待ってる!?
車から降りると、朝同様に走り寄ってきて、お腹を見せてグネングネンするので、さわさわ〜と撫でて、ちょっと困ったなと思いながら家へ続く階段を上がると、一緒になって上がってくるオッサン猫。
だいぶ困ったなと思いながら、玄関を開けて、出迎えに来たイチハチを見たら逃げるかな?と扉を開けると、イチハチにひるむこともなく、家に入ろうとするオッサン猫!
逆にひるむイチハチとトワナナ。
初対面のその日は、なんとか退出いただいたのですが、相当に気になる存在になったことは間違いありません。
翌日の朝は玄関前に座っていて、うちは二階の角部屋なので、ここまで来る子もそうそう居ない。
というか初めて。
どうしたもんかと頭を抱えながら、近所の猫おばちゃん宅を訪ね、
あの子前からいた?
と聞くと、年末辺りからウロウロし始めたとのことで、
数回ごはんあげたんやけど、人懐こいよねー!迷子?いや、捨てられたんかな?
などと立ち話しをして、まぁ取り敢えず見守りましょうということになったのが9日。
そこから、外に出れば必ずいるオッサン猫。イチハチといようとも、スリスリしに来て、イチハチにもスリスリしていくので、どんどん仲良くなって情がうつるわけです。
どうやらごはんは、一階に住むブラジル人家族があげているらしいとのことで、のぞいて見ると、ごはんを貰って、陽のあたる室外機の上なんかでヌベーッと寛いでいたりしました。
全体的にヌッタリしている。
そんな、なーんの害もないオッサン猫を近所の小学生男児達が寄ってたかっていたぶっている現場を目撃しました。
ゴミを投げつけたり、棒で叩いたり。
オッサン猫は下を向いて耐えています。
耐えれるはずのない私が飛び出して行って、エクソシストな形相で撃退。
その日は午後からBIGBANGのコンサートでしたが、コンサートに集中できず、オッサン猫が気になりすぎて、アンコールをすっ飛ばして帰宅したのですが、その晩、オッサン猫は現れませんでした。
翌日、のたうち回って咳をし、血液混じりの鼻水を飛ばすオッサン猫を発見しました。
猫風邪確定!と判断し、14日の朝に病院へ連れて行ったのです。
やっぱり猫風邪でした。
そして、猫エイズキャリアでもありました。
猫エイズキャリアということに、一瞬マイナスな気持ちにもなったことは否めません。
トワとナナイのこともあるからです。
でもあらゆる方向から考えて、猫エイズキャリアだということを後向きに考えたり、心配しすぎたりするのはやめようと決めました。
トワやナナイに感染する可能性は100%だと、某獣医師にははっきりと言われましたが、先のことは誰にもわからないので、思い悩むことはやめたのです。
発症しないよう、毎日をストレスなく過ごすことが大切だと思います。
そんなこんなで、うちで暮らすこととなったオッサン猫は、オイちゃんと名付けられ、日がな一日ヌッタリと暮らしています。
保護してから、一ヶ月の間に二回脱走し、一回目の脱走時にどこぞの猫さんに顔を咬まれて帰還。
腫れ上がった唇はスネ夫のようでした。
隙あらば脱走してやるという姿勢は、去勢手術を終えたらピタリとなくなりました。
とにかく人懐こくて、誰が来ても寝たままです。
ずーっと寝ています。
24時間のうち15分ほどは軽くスイッチが入って、遊んでみたりもします。
家族が増えるたび、イチハチとトワナナの順応性に感謝です。
すっかり長くなってしまいましたが、これでもだいぶと端折って、簡潔にまとめたつもりの、オイちゃんとの出会いのお話でした。
カーテンが花嫁さんの装い、笑。
いつもこうして、外を眺めています。
大好きなナナイとの、大好きな時間です。
では、また。
いつか、ふぃのおはなしも