2008年9月26日
いつもの海へ続く、いつもの道を、いつもと同じように歩こうと車を降りた朝。
キミは一歩も歩こうとしなかった。
オヤツを差し出して、何度も呼んで、やっと数歩歩くだけ。
軽度の下痢と、黄色いオシッコ。
前日の晩から少しダルそうにしていたので、調子が悪いのだろう。
調子が悪いだけだろう、そう思い込んでいた。
その日の午後。
私はキミに6時間半の留守番を課し、バイトに出かけた。
21時前。
帰宅して玄関の扉を開ける。
いつもなら玄関で嬉しさいっぱいに出迎えてくれるキミがいない。
奥の部屋に目をやると、ソファーから降りれないでいるキミが困った顔をして、ソファーの端から端を行ったり来たりしていた。
驚きながら近づく私に沢山尻尾を振り、でもまたすぐその場にへたりこんでしまった。
「リォンリ、しんどいん?ごはんしよ、ごはん食べよう?」
大好きな「ごはん」の言葉も、キミには聞こえていないようだった。
“犬の病気”と書かれた本を開き、思い当たる項目を慌てて読む。
とにかく体温を測ろう。
見る見る内に40度を超えた。
堺市にある夜間救急に電話をかける。
様態を話し、要るものを聞き、キミを連れて向かおうとした所にしぃさんが帰宅。
運転を任せ、私はキミをぎゅぅっと抱いて高速を飛ばした。
行き帰りの夜の景色を、今も鮮明に覚えている。
深夜2時過ぎに帰宅し、無理矢理少しばかりのごはんを食べさせて一緒に眠った。
冷え込んだ朝に、PCを立ち上げ“免疫介在性溶血性貧血”について初めて詳しく知った。
キミに見られないよう、そっとトイレへ行き、そっと泣いた。
あれからちょうど一年がたった。
いつもキミの事を想っている。
いつも、いつもいつも言うけれど。
月日の経過は本当に早い。
そして別れは、いつも突然だったりする。
なんとなく過ごしている毎日が、振り返れば本当に大切な日々だったんだと実感する。
悔いのない付き合いをしていきたいと思います。
彼等とも。