おセンチなメンタルにどっぷり浸った翌日なんかは特に、現実を実感する。
リォンリケーキを、現実界において腹におさめるのはイヲハク。
もちろん少量を少しづつ分け分けして、
「たっくんままとリォンリに感謝して食べなさひ。(ウルル)」
と贈呈する訳ですが。
ここで振り分けに躊躇するのが“リォンリ”。
ボデーは勢いでいけても、フェイスはやっぱりなかなか、
「はい、どうぞ。」
とはいけない。
苦しみながら小さくバタついてると、ハクビが隙をついてカプリとさくっと持ち去った。
声にならない悲鳴をあげ、ハクビのその後を見守る…しかなかった。
ハクビのお口には少々大きかったリォンリのお顔。
口いっぱいに頬張り、ハホッムホッと音を立てながら、お口の中でリォンリのお顔が無残になっていく様が見える。
見え過ぎるぞ。
丸見えだ。
それをうらめしそうに眺めるイイヲ。
そそそ。
これが現実なのよね。
ちょっぴり脱力して、くくくっと笑って、特に意味のない溜息をついて立ち上がり洗濯物を干す。
その私の横に座り、「暑い、暑いぞ」とブツブツ言い続ける私を見つめているイイヲに向かって、
「なぁイッくん、“暑いぞう”と“松居棒”って似てるよな。」
わおぉ、なかなかの冷たい目線。
そそそ。
これが現実なのよねぇ。
あ。
『怨み屋本舗』が始まっちゃう。
それでは、また。