日々、早々と。

完全なる犬派がイロイロあってネコシェルターを開設。そこに至るまでと今とこれからのオハナシ。

発病17日め。

金曜日。
3度目の輸血は無事に終えましたが、その晩からまた急激に体調を崩しました。
帰宅した晩から朝を迎えるまで、凄まじい嘔吐と血便に苦しめられ、一睡も出来なかったリォンリ。
疲れ果てているのに、しんどさが邪魔をして、体が眠る事を許さないのだ。
場所を変えては倒れ込み…、を何度も何度も繰り返している。
歩くのもままならぬ程力尽きた体なのに健気にも、嘔吐や用を足す時は起き上がって自分のトイレへ行く。

あの子のトイレは常に血まみれである。


本当にもう駄目かと思うほど、ひどい夜だった。
長い長い夜だった。


土曜日。
開院と同時に病院へ駆け込む。
また涙が止まらなくなる。
落ち着いて獣医師と話をするために、何度も何度も歯を食いしばって堪える。
それでも、次から次に溢れ出る。
下を向く。
リォンリの目に涙が落ちる。
リォンリが少し驚いた顔で、どうしたの?と私を見上げている。

どこまで苦しい思いをさせればいいのだろう。

諦める…、と口にしかけて、獣医師に、
「諦めるのはいつでもできるから。」
と言われる。

解放してやりたいと思うのです。
今の壮絶な苦しみから、この子を解放してやりたいと。



ずっとうつろな目をしている。


ステロイドの副作用で胃腸炎・膵炎・腹水を発症している。

黄疸がひどく、全身が真っ黄色になっている。

肝心な免疫抑制剤も、連日の嘔吐により、全く飲めていないのが現状。

経口でしか服用できないものがほとんどなので、その点でも気が沈む。
飲まないと、飲ませないと、助かる可能性すら失う事になる。

経口でなくても良いものは全て注射に変えてもらう。
吐き止め・血栓予防・抗生剤・粘膜保護。
血液凝固(DIC)も進んでいるため、いつ突然死してもおかしくない状態である。


免疫介在性溶血性貧血。
この病気にかかる子の10~20%はかなりの難治型であり、もちろんリォンリもそこに部類されている。
今処方されている薬は、犬には認可のおりていないもので、使っている例が少ないために効果事体がまだ手探りの段階である。
この薬が処方されている時点で、病院側は出来る範囲を超えてるのだ。
出来る事は全てやり尽くしたけれど何も成果を得られなかった。
その最終手段がこの薬。
なのにそれも飲めないとなっている今、リォンリが悪化する度に獣医師達はみな少し困った顔をする。
やれる事が少なすぎるから。


リォンリの小さな体はもうボロボロなんです。
病気と薬と、そられがもたらす副作用や新たな病によって、あの子の体はもうくたくたなんです。
抱っこして降ろすと、ゴロンとそのまま転がってしまう。
しっかりと立つ事も出来ない。


病院の帰り道、よく散歩に行く海へ立ち寄る。
少しでも気分転換になればと思って。


支えといてやらないと、立っていられない。


毎日毎日、
なぜこんな事になったのか。
なぜリォンリがこんな苦しい思いをしなきゃならないのか。

気がつくと、そればかりを考えている。


「リォンリ」と呼んでみても反応しない。
尻尾すら振れない。


夕方、少し体が楽になったのか、やっと眠り始める。


離れた場所にいても、「うぅぅぅ…」という、リォンリの鈍い鳴き声が聞こえる。

今までは出来て当然だったありとあらゆる事が、出来なくなっている。
リォンリ自身が一番驚いているんだろうな。

獣医師から、嘔吐が治まっているようであれば、「免疫抑制剤だけでも飲ませて下さい。」と言われていたので、夜、落ち着いたのを見計らって無理矢理飲ませる。
今までなら喉の奥に入れてやって、喉元を少し揉んでやればゴクッと飲めていたのに、飲み込む力もないようで全く口を動かす気配すらない。
それでも飲まさないと、と、しぃさんと奮闘しながら3錠の薬を飲ませるのに一時間もかかった。





日曜日(今日)。
丸三日、リォンリは何も食べていない。
水分補給程度の点滴だけでつないでいる。

今朝も血液検査のため病院へ。

金曜の輸血で30%近くあった赤血球が、また10%を切ってしまった。

今日、4度目の輸血です。
夜までリォンリは帰ってこない。

出来る限り一緒にいたいのに。
助けたいと思えば、こうして離れていなきゃいけない時も多いのが悲しい。

リォンリの居ない時間は長い。
何かしていないと、思考がまたよくない方へ向いていくので、こうしてパソコンを立ち上げたり、家の事をしたりしている。

あとどれくらい生きられるんだろう…、と考えてしまう。

あとどれくらい一緒にいられるんだろう…、と。

遅かれ早かれいつかはくる「別れ」だとわかってはいるけれど、苦しむキミが可哀相で仕方がないよ。

それでも、リォンリは毎日を精一杯に頑張ってくれています。
生きたい、と懸命に息をしている。
どんな事があっても、諦めないよ。
でも、リォンリ、本当にもう苦しくて苦しくてどうしようもない時は、カァサンの想いなど振り切ってくれていいからね。

ただ、愛してるよ。
誰よりも、誰よりも、リォンリが大好きだよ。



この数日で、温かい贈り物が沢山届きました。



見えにくくてごめんなさい。
こいさん、モアナちゃん、奇跡のメダルありがとう!
きっとリォンリには奇跡が起きてくれると信じています。


nicoさん、ヤムくん、
お手製のネックレスや靴下、温かいお手紙ありがとう!



ヤムくん、どんぐりもありがとね。
噛まずに我慢してくれたんだね。
リォンリもくんくんしてたよ。



やえさん、ハンちゃん、
沢山の贈り物と手作りの温かいalbum、ありがとう!

リォンリにしっかり読んで聞かせたよ。
優しい言葉の連なりに、また涙が溢れました。



ぐり姉、むすめちゃま、手作りの名前札、ありがとう!
ヤモリさんにしっかり守ってもらうからね。
恐いものなしよね。

本当にありがとうございました。


みなさんからも沢山の優しさを頂いて、リォンリも私も深く感謝しています。

メールも頂いているのに、お返事が返せていなくて本当にごめんなさい。
ご厚意に、深く感謝いたします。

あと、こてっちゃんの所のコメントで拝見させて頂きましたシーバスさん、間接的お礼で申し訳ありませんが、とても心が楽になりました。
ありがとうございました。
あの子を支えられるのは私しかいない。
どんな苦難も、共に歩みます。

いつも本当にありがとうございます。

メールもコメントもお返し出来ないかと思いますが、閉め続けているのも寂しいので、開けさせて頂きます。
リォンリに、読んで聞かせます。

沢山の人があなたを応援してくれているんだと、毎日毎日話しているので、きっとそれもあの子の活力になっていることと思います。


陽が暮れればお迎えです。
病院への道は、いつもいつも緊張する。

発病から17日。

一日一日を大切にしないとね。